らーめん天神下 大喜
“懐かしさ”を超えて、ひたすら旨すぎる東京ラーメン
いままで食べた醤油ラーメンで、いちばんおいしかった「記憶」を思い出してほしい。大喜の味は、その斜め上を必ず行くはずだ。
まぎれもなく東京最高の一杯が、ここにある。
醤油ラーメンは、もっともオーソドックスなラーメンの形だ。「醤油ラーメンといえば、こんな味」というイメージ・原体験を、日本国民全員で共有している。
大喜のラーメンは、その誰もが記憶の奥底に持って美化してきた「ほっとする、懐かしい醤油ラーメン」の味を根底に持ちつつ、現代の感覚でも、圧倒的な旨さを誇るのが特徴だ。
この感動を、2009年『dancyu』の記述がもっとも的確に表している。[1]
人は思い出の中の美味よりさらにおいしい、懐かしさに満ちた同じ食べ物を食べると、キーンと潜在意識の何かが覚醒するのだ。 (中略) 「大喜」の醤油ラーメンには、東京ラーメンの鮮やかに進化した姿がある
ではどうやって、このラーメンの味をだしているのか。上記『dancyu』と、2016年『ラーメンウォーカー』の記述にヒントがあった。[2][3]
ポイントは、日本料理をベースにした店主の高い技術。加えて、麺とスープへの、ひたすらにシンプルなこだわりである。
化学調味料は使わない。 (中略) 化学調味料を使って、その可能性を摘んでしまうのがもったいないと思うのだ。店主の武川数勇氏は、良質な素材と適宜な調理がもたらす偉大な力を信じている。毎日味わいの異なるスープがそのなによりの証だ。
日本料理店で20年修業した店主が作るのは、すべての味が前に出すぎない、調和を楽しむラーメン。 (中略) 毎日作る自家製麺は (中略) スープの味に合わせて5種を使い分けている。
引用元『ラーメンウォーカーが厳選!マニアも納得の東京うまいラーメンベスト100』, 16頁, 2016年, KADOKAWA
そう、調和がキーワードだ。
麺・スープ・その他具材も、どれもが一級品。でもクセやアクがなく、ただただ一杯のラーメンとして高い完成度を持つのは、店主のベースにある日本料理的な味わいなのだと思う。
結果として、誰もが知る醤油ラーメンでありながら、誰もが食べたことのない超高次元のラーメンが出来上がったのだ。
まさしく、東京のスタンダードを体現するラーメンである。必食だ。
MAP
- PLACE
- らーめん天神下 大喜
- TEL
- 03-3834-0348
- ACCESS
- 東京都台東区台東2-4-4
- URL
- http://www.daiki1999.com