オンリー
魔性のコーヒー×魔法の厚切り食パン=最高の朝食
コーヒー × 食パン。
日本が、海外と貿易を始めた150年ほど前。そこからこの国でも定着した、欧米ルーツの朝食スタイルである。今回おすすめする東京の朝食も、このスタイルだ。
「東京にきて、なんでコーヒーと食パンなのか?」
「それならホテルのモーニングで良いのでは?」
と思う方もいるだろうが、浅草・オンリーの朝食は、東京を代表する一食だ。
せっかくの東京、なんとなくホテルのモーニングで済ますなんてことは絶対にやめて、もはや日本文化の一部になりつつある「コーヒー×食パン」の最高峰に、感動してもらいたい。
ちょうど良く、あとをひく、やみつきの魔性のコーヒー
オンリーが位置する浅草、合羽橋。ここには調理器具専門の商店が立ち並ぶ問屋街だ。普段目にすることのないプロ向けの調理器具が延々と売られている様子は、他に類を見ない景色で、東京でもかなりディープなエリアである。
その一角に位置するオンリーも、周囲のインパクトに負けていない。店の20m手前まで来れば、あたりに香ばしいコーヒー豆の香りが漂い、それに誘われ店頭を覗くと、「魔性の味」というキャッチコピーに、思わず足を止めてしまう。
実際に飲めば、不思議な感覚に襲われる。強烈なわかりやすい旨味が、すぐに襲ってくるわけではない。とがった苦味や酸味があるわけでもない。
ただ、おいしく、心地よい感覚を持つのだ。
一口目は、よくわからないかもしれない。でもこのお店でゆっくり時間を過ごしながら、二口、三口と飲みすすめると、なぜだかやみつきになっている気がする。そしてコーヒーカップは、気づけばあっという間に空になっている。
店の居心地良さとあいまって、この不思議なコーヒーはおかわりしても、ずっと飲みたくなる。まさに魔性の味なのだ
極厚7cmトーストは、魔法のように軽くふわふわ、かぐわしい
コーヒーを二口、三口のみすすめ、
「あれ、なんか美味しい。ここ、居心地いいぞ…」
と思い始めたころにやってくるのが、この極厚トーストである。
同じ浅草に位置する、名店の誉れ高いパン屋「ペリカン」から仕入れているという食パンの厚さは7cm。その上にのせられたマーガリンが、じゅわぁーと溶けていく様子は、率直にそそられる。
たまらず手をのばし、ひとくちちぎれば、口にいれる前に鼻腔を香りが直撃。甘さとふくよかさと香ばしさが一体になったその香りと一緒に、パンを口に放り込めば、最高の朝が始まるのだ。
外側はかりっとしているが、分厚い中身は、お肉でいえばミディアムレアのようなもの。ふわふわとしっとりした中身は、弾力もあって、じっくり噛み締めたくなる。そして噛めば噛むほど、「朝からこんなに美味しいものが食べられて幸せ…。」と、一日の始まりに感謝をしたくなる。麦の甘み・旨みが沁みてくる。
パンに感動しながらコーヒーをすすれば、先述したように、いつのまにかコーヒーの虜になっている自分がいる。ずっとここにいたくなる。
つまり、このお店の虜になっているということだ。
パンは直接買うこともできるが、魔性のコーヒーと、魔法のパンの組み合わせを、朝から楽しめるのはオンリーでだけ。
この国で「コーヒー×食パン」という朝食の歴史は、まだ浅いかもしれない。
でも、もし東京の朝、食べ物に困ったら、浅草・オンリーを訪ねてみてほしい。そこに確かに感動はあると思うのだ。
MAP
- PLACE
- オンリー
- TEL
- 03-3841-7679
- ACCESS
- 東京都台東区西浅草2-22-8