赤坂一龍 別館
いつでも誰でも暖めてくれる、朝ソルロンタン
「東京の朝食」というジャンルがあるとすれば、最初に挙げたいお店が、ここ赤坂一龍別館だ。韓国料理ソルロンタンの専門店である。
なぜ本格韓国料理が、東京の朝食を代表する存在なのか。
それは、このお店が、東京の多様性をやさしく肯定してくれるからだ。
色んな人が、個々の事情を抱えて過ごす街、東京。
食の好みも違えば、朝ごはんを食べる文脈もひとそれぞれ。
そんな一人ひとりに優しく対応してくれるのが、一龍のソルロンタンなのだ。
具体的には? まず24時間営業の年中無休であること。
一龍というお店は、いつ訪れても歓迎してくれる。朝食専用メニューなんかないけれど、行けばいつでもソルロンタンがある。
そして、このソルロンタンという食べ物も、多様性に満ちあふれている。
テーブルいっぱいに並べられた小鉢ひとつひとつが、ソルロンタンの具である。
ベースのスープ自体には、はっきりとした味付けはないが、長時間牛骨を煮出したコクがたっぷり。ここに好みの具と塩をすこしずつ足して、自分だけの一杯を作り上げていくのだ。
上記の魅力を、日本で活躍する著名女優の、市川実和子が一言で言い表している。
この店は朝から食べられるので重宝しています。牛頬肉、韓国の春雨、ネギが入って白く濁ったスープは、こっくりと濃厚な味。だけどまったく塩味がない。(中略)塩を入れたり、キムチやご飯を入れたりして、食べ方で変化を付けていく過程も楽しい。
基本的に、具はおかわりできる。なので残量は気にせず、自分の好みのバランスを作り上げてほしい。ちなみにキムチはこれだけ食べても驚くほどおいしい。甘み・旨味が、日本で市販されているものと段違いなのだ。
こうして色々試行錯誤しているうちに、お腹はふくれ、体の芯が熱を帯びてくる。牛骨から滲み出るエキスによるものか、キムチの唐辛子か、とにかく体がぽかぽかして、元気になる。
食べ終わるには、汗ばむくらいになっているかもしれない。
いつ誰がきても、こうして温かく迎えてくれる一品だ。
もしよければ、ぜひ朝に試してみてほしい。忘れられない東京の朝になると思う。
MAP
- PLACE
- 赤坂一龍 別館
- TEL
- 03-3582-7008
- ACCESS
- 東京都港区赤坂2-13-17